小笹寿し

銀座8丁目見番通りから小さな路地、通称出世通りに入ると小笹寿しの看板が見えてくる。京都花街の路地に入ったような錯覚だ。暖簾をくぐる時、これほど胸が高鳴る店も少ない。銀座の艶の中に、京橋、日本橋という空気が混在している。これは昨今筍のように開店している若い職人の店の空気に対して圧倒的にすがすがしく凛としている。これは客筋によることも多いのだろう。初夏のしんこの6枚づけや8枚づけは本当に美味しいかと問う、現代の王道がある店だと思う。