風景

厳寒の京都に行く。関西は板前割烹という文化があり、目の前で色々な提案を聞きながら料理を選ぶことができるので楽しい。すっぽん鍋は大市の丸鍋が有名だが、一人前の小鍋を熱々で作ってくれる。仲良くなると、知り合いや同門の一見では入れない店を紹介してくれるので、縁が広がり奥が深くなる。隣の70代後半だろうと思われる御夫妻がまた来年も来れるかなと話されている。いつか一緒に来れない日が必ず来る。だから大事に食事を楽しんでいらっしゃるのが伝わってくる。もう一方では20代のカップルが傍らに一眼レフを置いて写真を撮っている。写真はいっこうに構わないが、もう少し早く食べた方が料理の作り手は喜ぶよと思いながら、その幸せそうな風景に心が温かくなる。