コンシェルジュ

今のように快適にすごせるビジネスホテルが多くない頃、出張や旅行で全国の都市に行く時は、その街で一番良いホテルを予約してコンシェルジュデスクで予定をたててもらった。情報が今のようにないので、鮨屋やバーの情報を年配のホテルマンから丁寧に教えてもらったものである。もちろん店との癒着もあったが、普通は入れないような店を予約してもらえて今でも付き合いが続いている。残念なことに、最近はそんなコンシェルジュは少なくなった。客も使わないから彼らも勉強しない。最近は街で一番良いビジネスホテルを予約して、信頼おけるその街のバーのバーマンに聞くのが一番良い。良い鮨屋のカウンターに入ることができる。

光景

暖かくなってきた。フェアウエイを歩くと地面から春の息吹を感じるようになってきた。ここからツツジの頃までが一番いい。若い頃は厳寒の中、雪をかきわけラウンドしたものだが、もっとゆっくりしたゴルフになってきた。歳を重ねたということだろう。時間の余裕をもってゴルフ場に向かう。ストレッチとアプローチの練習だけでいい。ドライバーは230まっすぐ飛べばバックティでも特に問題はない。アプローチはリカバリーであり、パターは水物である。パー4の2打目、パー5の3打目に向かうシーンが一番好きだ。アイアンの角度、ライン、芝、風と様々な要素が合うとピンに絡んでいく。その光景を見るために門の守衛に挨拶をし、ジャケットを着て倶楽部ハウスの正面玄関の扉をあける。

ストーリー

酒場で隣り合わせになる会話が品がないのはよくあることだ。それが酒場なのかもしれない。ある男性がヴィトンの財布をだしてチェックしようとすると、同伴の男性がバカにするようにそれを見て笑った。その大事にしている財布がお嬢さんからの還暦の祝いかなとか微笑ましく考えることができないのだろう。もっと世の中は豊かなストーリーで満ち溢れていると思った方が楽しい。

アフタービーチ

国内外を問わずリゾートのビーチで過ごす時間は気持ちが良い。ホテルのプールの方が快適さから言うと上かもしれないが、波の音は他には換えがたい世界がある。ビーチで会った外国人と夕暮れのレストランですれ違う。ヨーロッパの人たちは焼けた肌にジャケットを着ている。アメリカ人はポロシャツに短パンだ。面白いものである。

ゼロハリバートン 

旅を伴にする相棒は常に昔からゼロハリバートンのスーツケースである。空港では椅子にもなるし、ホテルの部屋では貴重品入れになる。傷は沢山あるがいい思い出だ。ただ、すれ違う人たちを見ると最近はリモアの方が圧倒的に多い。軽さなのかファッションなのかはよくわからない。優雅だなと思うのは、ルイヴィトンのキャスターがついてない大きなスーツケースだ。初めから自分で運ぶことを想定していない。海外のホテルでたまに目にするが、こちらまで優雅な気持ちにさせてくれる。今、欲しいのは、グローブトロッターのスーツケースだ。これをもって空港を颯爽と歩いていた女性があまりにも美しかったからだ。男は単純なものである。