予約

近年、寿司屋はプチバブルの状態が続いている。特に、ミシュランで星がついたり、食べログの点数が高いと国内外からの客で予約がうまる。予約専用のブローカーもいるという。もっときちんと仕事をした家族経営の良店や研究熱心な和食の店が沢山あるのにもったいない。予約でいっぱいということは一見の客が多いということになる。そうすると店の空気が荒れるというリスクがある。好きな寿司屋はミシュランの掲載を断った。理由は簡単で、その時はいいが、常連に迷惑がかかるということだ。店と客がお互いに尊敬し合うそんな店が増えることを願う。

テレビ

銀座の並木通りを京橋側から歩くとすぐにスタアバーの看板が見える。数年前、NHKで取り上げられたときは、店の外まで行列ができた。地方の勉強熱心なバーテンダーが東京に来ていて、せっかくなので店の雰囲気を味わって帰りたいというのならわからないこともないが、混んでいるようなら違う店に行って、後からまた寄ってみようというのが普通だ。後ろに並んでいる人がいるのにゆっくりカクテルを飲むのは心地が良いものではない。麻布十番の大阪から来た高級食パン屋の行列は、なんとなく理解できても、バーの行列は理解できない。まあ色んな人がいるから面白いのかもしれない。

行列

京都を散策していると昔ながらの小さなうどん屋に行列がある。大阪道頓堀のたこ焼き屋にも同じようなインバウンドや観光客の行列だ。どちらも地元の人に言わせるとたいしたことないと言うだろうなという店だが、寒い中スマートフォンを片手に並んでいる。並ぶのが趣味ですという人は別だが、圧倒的に情報が足りないのだろう。おそらく日本人が香港の街角でフリーの場合も同じような飲茶の店に並ぶだろうから、情報は溢れているようで、そうでもないことが多い。るるぶ地球の歩き方スマートフォンか、時代とツールの違いだけである。PRが少ない分、スマートフォンの情報が精度が上かもしれない。

ストーリー

酒場で隣り合わせになる会話が品がないのはよくあることだ。それが酒場なのかもしれない。ある男性がヴィトンの財布をだしてチェックしようとすると、同伴の男性がバカにするようにそれを見て笑った。その大事にしている財布がお嬢さんからの還暦の祝いかなとか微笑ましく考えることができないのだろう。もっと世の中は豊かなストーリーで満ち溢れていると思った方が楽しい。

デパ地下

30分くらい時間が空くとデパ地下をゆっくりまわる。地方からの催事があったり、行列の先を覗くと今流行のスイーツがわかったりして楽しいものである。自分で並ぶことはほとんどないが、唯一、立春恵方巻の時は銀座三越の鮨青木の列に並ぶ。といってもすぐ順番はくる。恵方巻とばらちらしを買い求める。恵方巻といいながら、ばらちらしが楽しみなのだ。帰路、成城石井にワインを買いに行く足取りが軽くなる。